こんにちは。
本日は面白い論文が発表されたので、紹介したいと思います。
紹介したいのは4月22日号 Nature に掲載された「The stepwise assembly of the neonatal virome is modulated by breastfeeding (新生児のウイルス集団の形成は母乳により変化する)」です。
引用元:https://www.nature.com/articles/s41586-020-2192-1
こちらの論文では、乳児に母乳を与えることで、腸内のウイルスを減らす、もしくは無くしていることを示唆しています。
乳児の腸内は生まれた直後は全くの無菌状態です。
母親から出産する際につく微量の菌やその後の食事や生活によって、次第に腸内に細菌が定着していきます。
今回の研究では細菌ではなくて、ウイルスについて研究しています。
ヒトにかかるウイルスの数や有無を調べています。
その結果、母乳を飲んでいる乳児の方が糞便中に含まれるウイルスの数が少なかったことがわかりました。
しかも調合乳で育てられた乳児の30%の糞便検体からヒトウイルスが見つかったのに対し、
母乳のみ、または母乳と調合乳を併用して育てられた乳児の9%の糞便試料からヒトウイルスが見つかりました。
約3分の1にまで低下していました。
今回の研究では、母乳が腸内のウイルスに対して影響するということがわかりました。
ここからは推測になりますが、母乳を飲むことで乳児の免疫力が向上した結果、ウイルスが減少しているのかもしれません。
母乳だけなくても、調合乳と併用するだけでも効果が得られるということは、「絶対、母乳じゃないと!」といった力みを抜いてくれるのではないでしょうか。
コロナ等で赤ちゃんの健康を心配をしている親御さんも多いかと思います。
コロナに限らず免疫力を上げるのは赤ちゃんの発育にとって非常に良いことだと思います。
無理をしない範囲で母乳をあげて、赤ちゃんの元気に一役買ってみましょう。