生理休暇が取りにくい理由|約6割がためらう実態と伝え方のコツ
生理痛がつらい日、「今日は休みたい…でも、なんて言えばいいんだろう」と迷ったことはありませんか。生理休暇という制度があるのは知っていても、いざ使おうとすると、上司に伝えるのが気まずかったり、周りの目が気になったり。この「言い出しにくさ」に共感する方は、きっと多いのではないでしょうか。
実際に、2026年10月に発表された2つの調査でも、生理休暇が「あっても使いにくい」実態が見えてきました。この記事では、調査結果を整理したうえで、厚生労働省の資料をもとにした生理休暇の基本ルールと、少しでも伝えやすくするためのコツ、つらい日を乗り切るための備えをまとめました。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。生理痛が重い、毎月仕事に支障が出るといった場合は、我慢せずに婦人科などの医療機関に相談してください。
働く女性の約6割が「生理休暇などの利用をためらった」
2026年10月19日、オンラインピル診療サービス「mederi Pill」を運営するmederi株式会社(レバレジーズ株式会社のグループ企業)が、20〜40代の働く女性213名を対象にした「生理休暇・女性の健康支援制度に関する実態調査」の結果を発表しました(調査期間:2026年9月28日〜10月1日、インターネット調査)。
ためらった経験は58.7%
生理による体調不良のときに、生理休暇などの制度の利用をためらった経験がある人は58.7%。また、勤務先に制度があると答えた132名のうち、「利用したことがある」は47.0%、「利用したいと思ったことはあるが、利用したことはない」は29.5%でした。
ためらう理由のトップは「男性上司・同僚に伝えづらい」
ためらった経験がある125名に理由を聞いた結果は、次のとおりです。
| 順位 | 理由 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 男性上司・男性同僚には特に伝えづらい | 20.6% |
| 2位 | 上司に生理について伝えることに抵抗がある | 15.8% |
| 3位 | 周囲に生理であることを知られたくない | 11.6% |
| 4位 | 忙しく、休める状況ではない | 10.9% |
| 5位 | 制度を利用することで周囲からどう思われるか気になる | 10.0% |
さらに、女性の健康支援が「今の職場で働き続けたいかどうか」に影響すると答えた人は、「とても影響する」33.3%、「やや影響する」42.7%をあわせて76.0%にのぼりました。
「生理痛」と言わずに休む人は60.4%
もう一つ、2026年10月13日にオイテル株式会社が発表した調査も見てみましょう。トイレの個室で生理用ナプキンを無料で受け取れるサービス「OiTr(オイテル)」のアプリを使う女性1,060人に聞いた「職場・パートナーへの生理の伝え方に関する意識調査」です(調査期間:2026年9月15日〜16日)。
- 男性の上司・同僚・友人に生理の話が「できない」:62.2%
- 生理休暇制度が「ある」と答えた736人のうち、取得したことがある:16.0%(会社員311人に限ると20.6%)
- 男性に話せる人の取得経験は24.1%、話せない人は10.8%で、約2.2倍の差
また、生理痛で休んだことがある550人に、休むときの伝え方を聞くと、「体調不良」40.9%、「生理痛」39.6%、「腹痛」17.3%。「生理痛」以外の言葉で伝えた人は合計60.4%でした。
同社は、「体調不良」と伝えることで、職場が生理による休みとして把握しにくくなり、実態が見えにくくなっている可能性を指摘しています。なお、同社によると、制度の有無は回答者本人の認識に基づくもので、学生や主婦の回答も含まれているそうです。
知っておきたい生理休暇の基本ルール
「言い出しにくい」と感じる理由の一つに、制度のことをよく知らない、ということもあるかもしれません。厚生労働省の資料をもとに、基本を確認しておきましょう。
法律で定められた制度です
生理休暇は、労働基準法第68条に定められています。生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、使用者はその人を生理日に働かせてはならない、というルールです。厚生労働省の「労働基準法のあらまし」では、下腹痛や腰痛、頭痛などで働くことが難しい場合が例に挙げられています。
ポイントをまとめると
| 項目 | 厚生労働省の資料での説明 |
|---|---|
| 請求の方法 | 口頭での申し出で足り、医師の診断書は不要 |
| 日数 | 状況は人によって違うため、就業規則などで日数を限定することはできない |
| 取得の単位 | 1日単位だけでなく、半日や時間単位での請求も可能 |
| 対象者 | 雇用形態などにかかわらず請求できる |
| 給与 | 有給でも無給でも差し支えない(会社の規定による) |
「半日だけ」「午前中だけ」という使い方ができるのは、意外と知られていないかもしれません。給与の扱いは会社によって違うので、就業規則を一度確認しておくと安心です。
取得率は0.9%
厚生労働省のサイトでは、令和2年度雇用均等基本調査での生理休暇の取得率は0.9%と紹介されています。制度はあっても、まだまだ使われていないのが現状です。
生理休暇を伝えやすくする4つのコツ
ここからは、調査で多かった「伝えづらさ」を少しでも小さくするための工夫を紹介します。職場の雰囲気によって合う方法は違うので、できそうなものから取り入れてみてください。
1. 就業規則で「申請の窓口と方法」を確認しておく
直属の上司に伝える必要があるのか、勤怠システムで申請できるのか、人事部に連絡できるのか。会社によってルールはさまざまです。体調がいいときに、申請の方法を確認しておくだけでも、いざというときの心理的なハードルは下がります。
2. 伝える言葉を決めておく
口頭での申し出で足りるので、細かく症状を説明する必要はありません。たとえば「本日、生理休暇をいただきます」「生理休暇で午前中お休みします」と、短い一言を決めておくと迷わずにすみます。チャットやメールで連絡できる職場なら、文面をメモしておくのもおすすめです。
3. 業務の引き継ぎメモを用意しておく
「休める状況ではない」という理由も上位に入っていました。生理が来そうな時期には、進行中の仕事や連絡先をかんたんなメモにまとめておくと、急に休むことになっても周りに頼みやすくなります。
4. 話しやすい人や窓口を見つけておく
男性上司に直接伝えにくい場合は、女性の先輩や人事部、社内の相談窓口など、話しやすいルートがないか確認してみましょう。今回の調査でも、男性に話せる人のほうが生理休暇を取得した経験が多いという結果が出ていました。一人で抱え込まないことが大切です。
休めない日のために。仕事中の「つらい」を減らす備え
どうしても休めない日や、休むほどではないけれど不安な日のために、日ごろからできる備えも大切です。
長時間の会議や外回りには吸水ショーツ
トイレに行くタイミングが読めない日は、吸水ショーツを取り入れる方も増えています。ナプキンとの併用ができるタイプや、吸水量で選べるタイプなどさまざまなので、自分の経血量や使い方に合うものを選びましょう。
オフィスの冷え対策に、ひざ掛け
冷房や足元の冷えが気になるオフィスでは、デスクに置いておけるひざ掛けがあると便利です。巻きスカートのように使えるタイプや、ブランケットとしても使える大判タイプもあります。
生理用品をまとめておけるポーチ
ナプキンや替えのショーツなどをまとめておけるポーチを、通勤バッグやデスクの引き出しに入れておくと、急に生理が来ても慌てずにすみます。中身が見えにくいデザインを選ぶと、トイレに持っていくときも気になりにくいですよ。
まとめ|制度を知ることが、使いやすさへの第一歩
- 働く女性の58.7%が、生理休暇などの制度の利用をためらった経験あり。理由のトップは「男性上司・同僚に伝えづらい」
- 生理痛で休むとき、「生理痛」以外の言葉で伝えた人は60.4%
- 生理休暇は労働基準法第68条に定められた制度。口頭で請求でき、診断書は不要。半日・時間単位でも請求できる
- 申請方法の確認、伝える言葉の準備、引き継ぎメモ、相談しやすい窓口づくりで、心理的なハードルを下げる
- 生理痛が重い場合は、我慢せずに医療機関に相談を
生理のつらさは人それぞれで、我慢が当たり前のものではありません。制度のことを知って、自分の体を大切にしながら働ける方法を、少しずつ見つけていけたらいいですね。
参考にした情報(出典)
mederi株式会社「生理休暇・女性の健康支援制度に関する実態調査」(PR TIMES、2026年10月19日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000999.000010591.html
オイテル株式会社「職場・パートナーへの生理の伝え方に関する意識調査」(PR TIMES、2026年10月13日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000149.000075914.html
厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「生理休暇に新たな発想を」:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-19.html
厚生労働省「労働基準法のあらまし(生理休暇)」:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000807610.pdf
